司法書士に合格すると"人生が変わる"と言われるほどメリットがあります。ですが、人生変わるほどの難関資格である司法書士になるには自分自身のかなりの努力と知識、そして時間が必要になります。
難関資格であるためやめた方がいいなどと言われるほどきついとも言われています。そんな資格を合格するためにはどうしたらいいのか、合格したあとはどんな人生になるのか、メリットやデメリットについて紹介していきます。
司法書士が人生が変わると言われる理由は?
①誰でも試験を受けることが出来る。
司法書士資格は受験資格が存在していません。実務経験や学歴がなくても受験可能です。誰にでも資格を取得できるチャンスがあるため、中卒や高卒の方からも学歴問わず注目が集まっている資格です。
合格してしまえば人生一発逆転もあるかもしれません!
②司法書士試験は最難関資格の1つ。
司法書士資格は誰でも受験できる反面、学習レベルを問わず受験者の数が多いため、合格率はわずか4%です。
高い認知度の国家資格でありながらも保持者が限られる資格なので、学習し司法書士の資格を取得すれば、需要の高い仕事を受けることが出来ます。
困りごとを解決しながら、クライアントからの信用を獲得できる資格であり、信用の積み重ねがそのまま司法書士としての営業力となる職業なのです。
③司法書士は独立開業しやすい!
独立開業する場合、必要な初期費用も少なく開業が可能で金銭的なリスクを抑えて開業できるのも司法書士の魅力です。
就職してある程度の実績を積んだら、雇用からの脱却として独立していく方が多いのも特徴の一つです。
独立開業を視野に入れて、会社に入り働くのがスタンダードなプランでしょう。会社で働いている間の年収は、勉強代としての意味合いもあるのが通例で、あまり高給ではありません。
なので独立する前に、クライアントワークの経験を蓄積しながら、信頼獲得のノウハウを学んで行く必要があります。
司法書士は資格そのものが大きな武器となる資格の一つでありますが、顧客の気持ちに寄り添える業務対応力という付加価値も必要とされます。なのでそういった部分も身に着けておくことも重要になるのです。
司法書士を取ることで得られるメリットとは?
司法書士を取得することで人生が変わると感じられるメリットとは……?
- 就職先に困らない!
- 短期間で独立・開業ができる!
- 独立後は高収入を得られる!
このように大きく3つあります。
①就職先に困らない
司法書士の資格を取得出来れば、就職先に困ることはほぼ無いと言えるでしょう。
司法書士資格は毎年、600名ほどの合格者がいますが、一方で司法書士には独占業務があり、不動産登記などの手続きには司法書士しか行えない業務が存在します。
合格者が少なく独立していく方も多いため、一般企業の業務対応でニーズの根強い資格にも関わらず人材が不足している状況です。
司法書士資格は法律に詳しいということが客観的に証明できる資格になるので一般企業の法務部や総務部といった部署にも、中途採用や異業種からの転職活動でも入社しやすくなるでしょう。
また、法務大臣の認定を受けることで簡易裁判所の裁判や調停の手続きなど、依頼者の代理人としての活動が可能です。
就職先が司法書士事務所だけではなく、一般企業の法務も視野に入れることで、選択肢を広く持てる点も大きなメリットになります。
②短期間で独立開業できる
司法書士の資格取得後、すぐに独立開業する方も少なくありません。司法書士は比較的短期間で独立し開業することが可能です。
司法書士事務所や会社勤務で2~3年ほど実績を積むことで実務を覚えられます。司法書士は独占業務がある専門性の高い資格であるため、仕事を獲得しやすく独立開業しやすい資格です。
③独立すれば高収入を得られる
司法書士の資格を活かして独立開業することで、1,000万円を超える高年収を目指すことができます。
安定して高収入を稼げることから、「人生を変えることが出来る」と、司法書士の資格に魅力を感じる方も多いでしょう。
もちろん、司法書士すべての方が稼げるというわけではないものの、自身のスキルと実績次第で年収を上げられるチャンスが誰にでもあります。
司法書士になるにはデメリットも?
司法書士になるには…そして合格したら必ず人生が変わる?とは限りません。デメリットとなる問題もあることを知っておかなくてはなりません。
①司法書士試験は超難関!
司法書士試験はかなり難易度の高い試験であり合格率も4%程と低い合格率であることから"無理ゲー"とまで言われている資格です。
- 11科目から出題される学習量
- 学習領域の広さ
- 合格基準点の高さ
- 択一式と記述式の両方で基準点を上回る必要あり
以上のことから難しいとされています。
本気で司法書士になるには、具体的な目標設定と強い意志を伴った実行力が不可欠になるのです。
②試験の時間が足りない
司法書士試験は一次試験と二次試験に分かれており、一次試験では筆記、二次試験では口述が出題されます。
一次試験の筆記は午前と午後の二部構成で、一日で完了するスケジュールです。
午前の試験では120分間で択一式を35問出題、午後の試験では180分間で択一式35問と記述式2問を出題されます。
合計5時間にも及ぶ試験時間であり内容と時間がかなりボリュームがあるので、集中力と体力面のコンディション維持は必須です。
出題される内容は司法書士の実業務の中心となる不動産登記や商業登記法に加え、憲法、民法、刑法と範囲がかなり広いです。
各分野をしっかり理解していないと解けない問題となっており難易度を高く感じさせ、試験時間が足りない状況に陥りやすくなるのです。
試験形式や難易度の実情を把握するために、試験勉強を開始したばかりの未学習の状態であっても、司法書士試験の問題を解いておくことが大事です。
③合格者数が限定される
司法書士試験の合格判定では、相対評価という基準点を採用しています。
あらかじめ合格者数の枠が決まっているため、受験生の数が多い年度は合格率が低くなるのです。
相対評価は大学入試や高校入試と同じ仕組みと同じようなものと考えるとイメージしやすいでしょう。
相対評価では事前の合格点は決まっておらず、その年の受験者の成績に応じて合格点を設定する仕組みです。
事前に決まっているのは合格者の人数だけで、合格点は受験者の人数に合わせて異なるため、受験者のレベルが高く平均して高得点の場合は、合格ラインとなる点数も高くなります。
知的水準の高い受験者が多く、限られた数をハイレベルに争う相対評価の仕組みを採用しているからこそ、司法書士資格の価値が高く評価されているんですね。
そして司法書士試験では、総得点での合格点とは別に、三つの合格基準点が設定されています。
総得点の合格点は以下のとおりで総得点は280点満点です。
午前の部択一式35問×3点105点満点
午後の部択一式35問×3点105点満点
午後の部記述式2問70点満点
合格基準点とは、各試験の分野ごとに設定されており、総得点の合格点をクリアしていても合格基準点をすべてクリアしなければ、司法書士資格に合格できません。
午前の部では70%以上の高得点の基準点を求められます。
また午後の部の記述式の合格基準点は、点数ではなく偏差値が重要で、だいたいの偏差値は50.2~50.4と採点対象者の平均、または少し上回る合格基準点が設定されています。
④独立しないと給料が安い
難関資格に合格したからといって、すぐに高給取りの司法書士になれるわけではありません。
司法書士事務所に就職した場合の平均年収は、一般的なサラリーマンとさほど変わらず、決して楽に稼げる資格ではないのです。
まずは実務をこなし、地道に専門職としての経験を重ね収入アップに繋げる必要があります。
SNSなどを使い専門家として知見の高さをアピールすることで、事務所や会社に勤務しながらも独立後を見据えての営業先の開拓や信頼を獲得するための情報発信を行い仕事に繋がる工夫も必要となります。
勤務先の服務規程にもよりますが、個人として司法書士依頼を獲得するきっかけにもなるため、副収入の手段となるでしょう。
⑤独立が成功するとは限らない
司法書士資格を取った後にすぐ独立開業することは、手続き上は簡単です。
しかし、何もせずに待っているだけで仕事の依頼がくるわけではないため、経済的な成功のためには営業活動は不可欠です。
司法書士のスキルはもちろんですが、事業が軌道に乗るまではコツコツを営業と実務をこなして努力を重ねることが必要です。
営業で仕事を獲得するためには、信頼関係の構築もかなり必須ですので、出会う方々とのお付き合いや人脈形成も大切にし仕事に繋げていくことが大事です。
⑥司法書士は激務で重い責任が伴う
司法書士は難関試験であるため合格率も低く人数も限られています。そのため依頼される仕事がかなり多く激務であると言われています。2ほぼ毎日21時まで仕事…なんてこともあるようです。
そして法律なども扱うため1件1件の内容に重い責任が伴う仕事ばかりです。1つのミスによって億単位の損失を出してしまうかもしれないような重大な仕事も少なくはありません。ミスは許されない責任の重い仕事です。
司法書士になるにはどうしたらいい?
◎経済的に余裕があり、司法書士資格を最短で取得したいなら、最大限に時間が確保できる受験専業をおすすめ!
司法書士試験は1日8時間程度の学習時間を使っても、1年~2年で試験合格できれば優秀といわれるほど難しい資格です。
大学受験時に1日12時間以上の勉強を年間通して行ってきたような、ある種の試験慣れをしている司法書士受験生も多くいます。
◎働きながらなら3~4年かけるのが目処に!
司法書士試験の合格までの勉強時間は、約3,000時間と言われています。
社会人として働きながら3,000時間の学習をするには、平日に3時間・土日に8時間ほど学習時間を確保したとしても3~4年はかかります。
◎どちらにせよ独学では合格の可能性が低い
「受験専業」と「働きながら」のどちらでも、費用面だけを考えるとテキスト購入だけの独学でよいのではないかと考えがちです。
しかし、残念ながら独学だけで合格できる方はほとんどいません。
司法書士試験の出題内容には、テキストで独学しただけではなかなか理解しにくく、不動産登記法や商業登記法など専門性の高い問題も含まれるため独学では難しいと言われています。
記述式の試験では、実際の不動産登録手続きの手順と背景理解を問う内容が出題されたりと、暗記だけの学習方法では対策しづらい試験内容になります。また、具体的な手順や添削を受けていないと、そもそも正しく理解しているのかが分からないのです。
受験専業で勉強する、また働きながら勉強していくにしても、通信講座や予備校を活用したカリキュラムに沿った学習を集中的にすることをおすすめします。
まとめ
今回はメリットデメリットを含め司法書士になるためには、司法書士試験について解説しました。
司法書士は合格すれば「人生変わる」と言われるほどの高収入を得られる素晴らしい仕事です。
ですが、なるまでには難関と言われる司法書士試験を受け合格しなくてはなりません。
その狭き門を通るにはたくさんの時間と努力が必要となること、そして強い精神力が必要となります。
合格してからもキャリアを積んだりと、司法書士として独り立ちし高収入を得られるようになるまでには時間がかかり、またそこでも時間と努力がいります。
また勉強にあたっては独学よりも通信教育や学校などを利用した方が確実に勉強ができることなど紹介させて頂きました。
少しでも参考にしていただけたらと思います。最後まで読んで頂きありがとうございました。